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顧客サービスの向上が導くRENOSYのさらなる成長へ。リコルディM&Aで描く未来

GAテクノロジーズ樋口 ×リコルディ福田
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経営陣 CEO INTERVIEW

Dec

15

Wed

WORDS BY浅野 翠
POSTED2021/12/15
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GAテクノロジーズは2021年12月15日、リコルディ社の株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせを発表しました。

パートナーズ、ディアライフと続き、2021年では3社目、上場後8社目となるM&A。カスタマーサクセスを追求し、資産運用コンサルティングを得意とするリコルディ社がグループに加わることで、どんな未来が見えてくるのでしょうか。

GA MAG.では、リコルディ代表・福田氏とGAテクノロジーズ代表・樋口の対談を実施。今回の決定に至った背景や、2人が目指す不動産業界のあり方を聞きました。

モデレーター:川村 佳央(執行役員CCO)
編集・執筆:浅野 翠(GA MAG.編集長)
撮影:今井 淳史(株式会社GA technologies)

PROFILE
  • 株式会社Ricordi 代表取締役
福田 俊孝
1974年生まれ、27歳より17年間、資産形成のコンサルティングとして常に最前線に立ち、投資用不動産会社で今までなかった現場目線の新しい商品やサービスの開発を手掛ける。2018年より株式会社リコルディの代表取締役に就任。今までの経験をもとに多くのパートナーと共に、より積極的に顧客満足度の高い商品やサービスの提供、社員満足度の高い仕組み作りに取り組む。
  • 株式会社GA technologies 代表取締役社長執行役員 CEO
樋口 龍
1982年生まれ。幼い頃より世界的なサッカー選手を目指し、ジェフユナイテッド市原(現J2)に育成選手として所属。24歳でサッカー選手の夢を諦め、不動産会社へ就職。2013年に株式会社GA technologiesを設立。以来、代表として不動産ビジネスのDX推進に取り組む。2018年7月、東京証券取引所マザーズに上場。

常に「本質的な顧客満足」を考える

- まず株式会社リコルディについて教えてください。

福田:
リコルディはGAテクノロジーズのiBuyer事業と同様、お客様の資産形成に関する課題を解決するコンサルティング事業を行っています。とくに弊社が強みとするのは、東京や大阪の新築コンパクトマンションですね。

2010年創業の会社で、私が代表取締役に就任したのは2018年。不動産の取り扱いを開始したのもそのタイミングです。今では社員数60名以上、年間売上は69億円まで成長しました。

- 不動産事業開始から3年で急成長されていますね。2018年以前は違う事業を展開されていたのでしょうか?

福田:
リコルディはもともと、私の姉が12年前にアパレルのセレクトショップとして立ち上げた会社なんです。姉は10年前に亡くなってしまったのですが、「リコルディ」という社名を姉が生きた証として残したかった。そこで3年前、勤めていた会社を独立し、私が跡を継ぐ際に不動産事業を加えました。

福田:
リコルディは電話営業や広告などを一切行っていません。既存のお客様のリピートや紹介がつながって今に至ります。お客様にファンになっていただくことで、広告などのコストを抑えられているのが大きな強みです。削減したコストをマネジメントに活かすことで、さらにお客様に満足いただける安定したサービス提供を可能にしています。「ライフスタイルの課題解決マッチングプラットフォーム」として、本質的にお客様の役に立てる会社を目指してきました。

- ライフスタイルの課題解決マッチングプラットフォームとは具体的にどんなものでしょうか?

福田:
ビジネスパーソンの悩みは、大きく3つに分かれます。3位が「健康・生きがい」、2位が「仕事」、1位は「お金」です。

これまでは最も多くの方が悩んでいる「お金」に関する問題を、ワンストップで解決することを目指してきました。不動産を始め、生命保険なども視野に入れた資産形成全般のアドバイス、弁護士や税理士など高い専門性を持つ外部パートナーとのアライアンスを実現させ、お客様にご満足いただけるサービスになりつつあると自負しています。

今後はハイパフォーマー特化型の健康サービス、ネットワークを活用した仕事に活かせる人脈マッチングなどのサービスを提供することで、お客様の悩みを一手に引き受ける会社にしていきたいと考えています。

既存商品のブラッシュアップだけでなく、「どうすればお客様がもっと満足いただけるか」をいつも考え、少しずつサービス拡充に落とし込んでいます。

- 福田さんは2018年にリコルディ代表に就任されました。それまでどんなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?

福田:
20代後半から投資用不動産会社のセールスとして現場に立ち、さまざまなお客様の声をサービスに反映させてきました。また、マネジメントも経験させていただき、1,000名近くの部下の育成に携わってきました。

樋口:
私と福田さんが出会ったのも、福田さんがセールス統括をされていた頃でした。2006年でしょうか。

- お二人は上司と部下の関係だったのですね。

福田:
樋口さんとは5年ほど一緒に仕事を経験しました。いちセールスだった当時から「世界に名だたる会社を作りたい」と言っていて、それが今こうした形で、夢を叶えるリソースが集まりつつあるのは彼の意志の強さだと感じます。

GAテクノロジーズが展開してきた変革には、同じ業界の人間として驚異と尊敬の念を抱いていますね。

福田:
「ベンチャー企業が成功する3つの条件」という考え方があります。「誰もがやっていることを対象にする」「その分野における顧客の不便や痛みを解消する」「差別化されたサービスを展開する」というものですが、GAテクノロジーズは見事にこの3つを満たしていますね。いまだに課題が多い不動産業界で、常識を打ち破るような難しいチャレンジをしていることは純粋にすごいと思います。

樋口:
私がビジネスパーソンとして最も影響を受けたのは福田さんなので、そう言っていただけると嬉しいです。

セールスとしてまったく芽が出ず悩んでいた頃から目をかけていただき、営業力を高める考え方をわかりやすく教えていただいたから、今があると思っています。マネジメントも福田さんが原型になっており、今私が新卒に伝えていることのほとんどが福田さんの受け売りです(笑)

福田:
樋口さんはとにかくキャリアへの向上心が強かったですね。また、素直さがとにかく突出していました。

私は「素直さ」にはレベルがあると思っています。レベル1が、相手の話を聞くこと。レベル2は、それを実践すること。そしてレベル3が、そのまま実行するだけでなく創意工夫し、成果につなげること。樋口さんは常にレベル3でやりきっていましたね。

樋口:
セールスとしてだけでなく、ビジネスパーソンとして必要な思考や価値観も学ばせていただきました。役職問わず、常に現場を重視する姿勢も福田さんから学んだことです。

私が最初に「独立したい」と相談したときも、「マネジメントを覚えてからにしなさい。そのほうが遠回りに見えて結局近道だから」と諭してくださいました。

福田:
起業して自分で組織を作るなら、プレイングとマネジメントの両方ができないと成立しませんからね。

樋口:
セールススキルもマネジメントも、ビジネスパーソンのすべてを教わったと言っても過言ではないですね。独立後もさまざまな局面で支えていただきました。

M&Aは、目的達成にベストな手段

- 樋口さんから見たリコルディはどんな存在ですか?

樋口:
とにかく顧客満足を追求する姿勢が素晴らしいと思っていました。購入やアフターフォローで「感動する」ほどの体験があるからこそ、高いリピート率や紹介数が可能なのだと思います。そして広告などに費用をかけない分、社員教育にコストをかけ、それが高い顧客満足につながるという好循環を生んでいる。「お客様に心から満足いただけるサービスをトータルで提供できれば、こんなことが可能なのか」と目から鱗が落ちました。

GAテクノロジーズでは2021年9月に業績の下方修正をした際、社内に多くの課題が見つかりました。その中でも「顧客満足のさらなる向上」は非常にインパクトが大きく、かつ喫緊の課題でした。当初は自分たちだけで顧客体験のさらなる向上を目指しましたが、リコルディのレベルまで早急に追いつくのは難しいとも考えていました。

- GAテクノロジーズに足りない部分を持っている会社だということですね。実際にM&Aの話が出たのはいつ頃でしょうか?

樋口:
構想が持ち上がったのは半年ほど前ですが、実際にお声がけしたのはその少しあとです。

福田:
今年の秋頃に久しぶりにプライベートで会う機会があったのですが、それ以来、樋口さんからよく連絡が来るようになったんです(笑)。「これは何かある」と思って尋ねたところ、「実は…」と切り出されました。

樋口:
もう少し時間をかけてから、と考えていたのですが、見透かされていました(笑)
ただ、「顧客満足のさらなる向上」は、GAグループだけの発展ではなく、不動産業界全体の発展につながると確信しています。だからこそ、自社リソースだけにこだわるのではなく、すでにうまくいっている会社の力を借りたいと考えたんです。

福田:
「お客様の満足度を高め、その結果として業界全体の変革をしていく」という考えには非常に共感しました。

リコルディには「『人』と『資産』の価値をつないでいく。」という理念があります。これを達成するのが大切であって、リコルディという会社も、私という存在も、手段に過ぎません。目的達成のためにより良い手段があれば、私は迷わず選択します。それがM&Aであっても、そうすることで目的が達成できるなら、ぜひやりたいと思いましたね。

- 以前の部下と、という点は気にならなかったのでしょうか?

福田:
まったく気にならないですね。もともと「役職は上下関係ではなく役割」と考えているので、外からどう見られても関係ないかなと思っていました。

樋口:
最初は私も躊躇したのですが、福田さんのそうした人となりを知っていたからこそ、一緒にゴールを目指せると思っていました。

ラインナップ拡充、CS強化で「感動」を届ける

- リコルディがGAグループになることで、さまざまなシナジーが生まれると思います。具体的にはどんなことを予定していますか?

樋口:
大きく2つのシナジーが生まれると考えています。

1つは商品ラインナップの拡充です。
直近でRENOSYのお客様に、資産形成に関するアンケートを実施しました。すると17%の方が「資産形成の手段として新築マンションを検討している」と回答されたのです。これまでRENOSYでは優良な中古マンションを主に扱ってきましたが、お客様の多様なニーズに応えるためには商材ラインナップも拡充させなければと考えるようになったのです。

樋口:
Amozonも、書籍だけでなく家電や服などさまざまな商品を購入可能にすることで顧客満足度を高めてきました。今後はRENOSYでも、リコルディの扱う新築マンションを購入いただけるようにすることで、よりお客様のニーズに応えるサービスになると考えています。

2つ目が、リコルディの大きな強みであるお客様への親身な対応、「カスタマーサクセス」です。ご購入後の細やかなフォローを始め、お客様の課題を先回りして解決する体制が実現できると考えています。

他にも、新築と中古では必要な知識もアプローチ方法も違うので、社員の成長支援やキャリア選択の幅を広げるという意味でも大きなメリットがあると思います。
また、福田さんは金融機関に豊富なリレーションをお持ちなので、RENOSY Xの事業にもぜひ関わっていただきたいと考えています。

福田:
GAテクノロジーズにはエンジニアやセールスを始め、多様な専門性とバックグラウンドを持つメンバーが揃っています。それが大きな魅力でありポテンシャルですよね。

ちょっと話は変わりますが、数学の難問で「ポアンカレ予想」というものがあります。100年もの間、誰も解けなかったのですが、ロシアの数学者が2003年に解明しました。その方法は、意外にも物理学を応用したものだったんです。このように、ちょっと違う領域の知見を応用すれば解決できる問題が、ビジネスの世界にもたくさんあると思うんですよね。

不動産業界もそうです。業界経験が長いからこそ持ちうるスキルと、まったく別の分野の知識を掛け合わせれば、それまで不可能だと思っていた課題だって解決できる。その化学反応が今から非常に楽しみですね。

福田:
GAグループは非常に伸びしろが大きいと思っています。まだ着手できていない施策がたくさんある。それでもここまで成長しているんです。GAグループの目指す「世界のトップ企業」は、単なる夢では終わらないと思いますね。

私もリコルディの代表として、人と資産、人と人、さまざまな価値をつなげたいという思いがあります。お客様が「解決できない」と困っておられる課題を、我々が解決できたときにいただく笑顔や感謝は、お金に変えられないものがある。それはGAグループが掲げる「テクノロジー × イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」に非常に近いと思うんです。感動というのは、事前の期待値からのギャップで生まれますから。

- 「お客様に感動いただけるサービスを目指す」という点でも共通しているんですね。

福田:
私はお客様を始め、関わる方すべてに「人生をコントロールするスキルと強さ」を身につけていただきたいと思っています。単一の方法で理想の資産を形成するのは難しい。さまざまな金融知識を身につけていただき、高い目標を達成して、自分の人生を切り開いてほしいんです。それができて初めてお客様は満足できるし、社員はそのサポートができた自分を誇りに思える。社員のスキルアップや生きがいにもつながるんです。結局、顧客満足を追求することが、すべてにつながると思います。

樋口:
福田さんは出会った時からずっと「本質的な顧客満足」を追求されていますね。それは本当にすごいと思います。

福田:
DXは、効率性や生産性の高いビジネスのためには欠かせませんし、この流れは止まりません。同時に、私たちは人と「つながる」ことをこれまで以上に求めると思うんですね。だからこそ、GAグループがテクノロジーだけでなくリアルな人との接点、とくにカスタマーサクセスに力を入れることは時代のニーズにも合っていると思います。

樋口:
テクノロジーとリアル、その両方の重要性がこれまで以上に問われますよね。ここ数年はテクノロジー領域に大きな投資をしてきましたが、今後は改めてテクノロジーとリアル双方に注力していきます。

福田:
お客様に感動いただけるサービスを提供するために、できることはたくさんありますね。

樋口:
多くのお客様に感動を与えられる会社になることが、結果的に不動産業界全体に良い影響を与えると信じています。


※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

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EDITOR’S PROFILE
  • Corporate PR
  • GA MAG.編集長
浅野 翠
2011年に早稲田大学を卒業後、インターネットイニシアティブ(IIJ)やビズリーチで人事を務める。2018年にGAテクノロジーズに入社。2020年8月より広報を担当。好物はすっぱいお菓子。
Twitter:@midoriii1221
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