MEMBER

「住宅も、オフィスも、サードプレイスも」BtoB、BtoC問わずにあらゆるお客様の生活をデザインする

GAの匠たち #02 諸橋俊
KEYWORD
中途採用 社員インタビュー PROFESSIONAL

Nov

21

Thu

WORDS BY増田 剛士
POSTED2019/11/21
SHARE

はじめにINTRO
DUCTION

GAテクノロジーズが運営する不動産テック総合ブランド『RENOSY(リノシー)』では、「借りる」「買う」「売る」「投資する」という不動産領域のあらゆる体験をワンストップで提供することにより、お客様の理想の暮らしの実現をお手伝いしています。
そんなRENOSYの一翼を担う「リノベーション」領域において、お客様の理想の住まいを実現すべく日々奔走している一級建築士やインテリアデザイナーにインタビューする企画『GAの匠たち』。

第2回となる今回は、LIFE-DESIGN Division Ⅲ(以下、LDD3)で一級建築士・インテリアデザイナーとして活躍する、諸橋俊(もろはし しゅん)をご紹介します。高層ビルやオフィスの設計、住宅のリノベーションなど。建築規模の大小問わず、あらゆる領域で設計実務を経験してきた諸橋のキャリアや仕事に対するこだわり、設計士としてのルーツに迫ります。

PROFILE
  • 一級建築士・インテリアデザイナー
諸橋 俊
千葉大学大学院にて建築学を専攻し、建築にとどまらず街づくりも踏まえた一体的な都市空間を学ぶ。
三菱地所設計に入社後、オフィスビルを中心に大規模プロジェクトに関わる。LINEに転職後、働く環境のハードデザインを実践し、LINE本社やその他オフィスをインハウス設計として手掛ける。その後GA technologiesに入社し、住環境空間を実践しながら「働く」と「住む」を一体的に捉えたライフデザインを提案している。

CHAPTER幼少期の原体験から設計士への道を志す

QUESTION.現在LDD3で活躍している諸橋さんですが、設計士への道を志したきっかけは何だったのでしょうか?

諸橋:小学生の時に実家を新築した時の体験がきっかけです。
それまでは姉と同じ部屋で過ごしていたのですが、新築する際に自分の部屋を貰えることに。その時に両親から「どういう部屋がいい?」って聞かれたんですね。当時、僕は小学2年生だったのですが、その問いに対して幼いなりに真剣に考えました。
自分の好きなものを散りばめた部屋のスケッチを描いたり、職人さん達が働いている様子を眺めたり。クレーンとかショベルカーのような建機も好きだったので、建築している様子を見るだけでも楽しかった記憶があります。
その時の体験を通して小学生ながら「僕は建築が好きなんだな」と思い、建築の道を突き進んできました。

家を立てるという体験から、自分の中で建築が身近になったのは大きな転換点だったと思います。やっぱり自分にとって身近なものに対しては、自然と目が向くじゃないですか。小学高低学年の頃から建築というものが日常的に浸透していたからこそ「建築が好き」という想いはぶれなかったですし、中学生・高校生になってもそこは変わらなかったですね。

QUESTION.建築を学問として学び始めたのは大学からとお伺いしましたが、大学ではどのような勉強・活動をしていましたか?

諸橋:芝浦工業大学の建築学部で、建築を学んでいました。
芝浦の建築学部はクラシックな建築を学ぶことができる学部で、2年生まではいわゆる有名建築の図面などをトレースしたり、外観をスケッチしたりしていました。ここまでは基礎的な知識や技術を身に付けるための、下積みのような段階ですね。
そして、3年生になるとデザインを自分で考える段階に。この時にそれまで溜め込んでいた想いや構想が爆発しましたね。自分の中で思い描いていたデザインのストックが沢山あったので、それらを形に落とし込むことに夢中になっていました。

ただ、当時って経験も知識も少なく建築士としては未熟なので、「建物を立てるってどういうことなんだろう?」という建築の本質的なところをあまり考えていませんでした。要は設計という工程をデザインとしてしか見ていなかったので、実際に自分が作り出した空間がどのように使われるかとかは全く考えずにアウトプットを繰り返す日々を送っていたんですね。
当時はそれだけでとても楽しかったですが、今振り返ると「割と暴力的な建築をしてた時もあったな」と思います(笑)。

QUESTION.暴力的な建築(笑)例えば、どういった建築物を設計したりしていたのですか?

諸橋:思い出深いものでいうと、卒業制作で設計した火葬場ですね。
後楽園駅のすぐ近くに東京都戦没者霊苑という戦没者を祀る場所があるんですが、その隣にある礫川(れきせん)公園を丸々火葬場にする、という建築が僕の卒業制作でした。

後楽園駅ってすぐ近くに東京ドームやLaQua(ラクーア)のようなアミューズメント施設がある娯楽に富んだ場所である一方、線路を挟んだ向かい側に戦没者霊苑がある。
その生と死が入り混じっているような混沌とした環境が僕にとっては印象的でした。

そういった環境下において「火葬場という死を身近に感じさせるような建物を立てたらどうなるか?」「どのようなデザインにしたら、後楽園という環境に馴染むことができるのか?」を卒業制作のテーマとして制作を進めていました。

卒業制作の建築模型
QUESTION.その他に学生時代に思い出に残っている作品や出来事はありますか?

諸橋:1000人近くが在籍する芝浦の建築学部において、最大規模の自主ゼミナールの部長をやっていたことですね。当時は在籍人数が200人を超えるほどの規模を誇るゼミでした。主な活動内容は、全国各地の建築を見て回ること。47都道府県の建築を網羅することを目標として、夏休みと春休みの2回に分けて様々な建築を見にいっていました。

ゼミの活動で全国各地を飛び回った中で一番記憶に残っている建築は、長崎のグラバー園にあるグラバー邸。設計士の観点から見てとか、デザイン的にというよりは、単純にその空間にいて一番心地よく感じたのがグラバー邸でした。純粋に「ここに住めたらいいな」と心の底から思えたんです。

GAに入社してお客様の住宅を設計する立場になったからこそ、僕がグラバー邸に対して抱いたような思いをGAのお客様にも体感していただけるようなサービスを提供していきたいですね。

CHAPTER超高層ビルやオフィス、イベントの空間デザインなど。あらゆる規模の設計実務を経てGAへ

QUESTION.次にGAに入社するまでのキャリアについてお聞きしていこうと思います。新卒で三菱地所に入社。その後LINE株式会社を経てGAに入社した諸橋さんですが、ファーストキャリアとして三菱地所を選んだ理由は何でしょうか?

諸橋:前提として、基本的に設計業務っていうのは経験産業なんですね。
いわゆる新社会人が有名になることはまずなくて、「どのような経験を詰んだか?」「どれだけ経験を詰んだか?」でそれからのキャリアが左右されることがほとんどです。
そういった考え方を前提として就職活動をしていたので、「その企業に入社したらどのような経験を詰めるか」という目線から様々な企業を調べていました。
その中で三菱地所を選んだ理由は、規模の大きい建物の設計に携われるからです。

もう一つの理由は、給料が良かったからですね。
設計士って皆さんが想像する以上に給料が安いんです。。。そんな業界において三菱地所は待遇も良く、自分が望むような経験もできそうだと感じたので入社を決めました。

QUESTION.三菱地所で3年間勤められた後、LINEに転職。業界も業態も全く違う会社だと思いますが、なぜLINEへの転職を決めたのでしょうか?

諸橋:三菱地所では経験することのできない仕事に携わりたいと考えたからです。
LINEに転職する前は田町駅前にオフィスビルを2棟立てるというプロジェクトに携わっていたのですが、2棟の内1棟が完成するまでに初期計画を立ててから15年経過していたんですね。僕は途中からプロジェクトに参加したので15年間携わっていたわけではないですが、自分のサラリーマン人生を考えたときに1棟15年のペースだと生涯で3棟しかできない。「いやいやいや、それは勘弁してくれ」と思いましたね(笑)。
それも大事な経験ではあるんですが、そろそろスピードアップをして色々なビルディングタイプに挑戦したいと感じ、転職することを決意しました。

転職先としてLINEに興味を持ったのは、僕の大学の先輩がLINEで働いていたからです。普通の転職活動では聞くことができないような内側の話も聞くことができて、「この会社で働くのは面白そうだな」と感じました。
特にLINEのオフィスに対する考え方は、とても面白いなと。LINEは自社オフィスに対する空間設計のコンセプトを明文化していて、どのオフィスもハード面もソフト面も非常にこだわって作られているんですね。しかも、外部に発注しているわけではなく、設計から全て内製している。インテリア・内装デザインも含めたオフィス設計をやってみたいと考えていた自分にとって最適な環境だと思い入社しました。

QUESTION.LINEではオフィスビルという箱の設計ではなく、オフィスという空間の設計をやってらっしゃったんですね。

諸橋:そうですね。
LINEではBX室(Brand Experience)という部署のSpace Design Teamで働いていました。BX室は空間・映像・グラフィックという3つの視点からLINEのブランディングに貢献することをミッションとしている部署で、それぞれの分野で多くのプロフェッショナルたちが働いている異色な環境でした。

僕の仕事内容はチームの名前の通り、空間のデザインからLINEのブランディングに貢献すること。オフィス設計に留まらず、イベントやカンファレンスの空間デザインといった様々な案件に携わってきました。

QUESTION.三菱地所ではオフィスビルの設計。LINEではオフィス自体の設計からイベント等の空間デザイン。そして、現在はGAでマンション一室のリノベーションと、転職を重ねるごとに関わる建築のスケールが小さくなってきていますが、GAへの転職も「色々なビルディングタイプを経験したい」という想いからでしょうか?

諸橋:はい。最初に設計は経験産業とお伝えした通り、「どのような経験を、どれだけ積み重ねてきたか」が重要な業界です。だからこそ、様々な仕事を経験したいと考えていました。
三菱地所では40階を超えるような高層ビルを設計し、LINEではオフィス内の設計を。そして今はマンション一室のリノベーションをしているって面白くないですか?笑

規模以外での理由を挙げると、BtoC領域も経験したかったからです。
それまではファーストキャリアから一貫してBtoB領域だったからこそ、次はBtoC領域でサービスを提供している会社に転職したいなと。なおかつ、これまでに自分が経験したことのないスケールの建物を扱っている会社がベストだと考えていました。
それに当てはまる会社を探していた時に偶然出会ったのが、GAテクノロジーズだったんです。

CHAPTER設計士が考えるGAならではの「住まい改革」の形

QUESTION.2018年12月に入社されてから約1年ほどとなりますが、率直にこの1年を振り返っていかがでしたでしょうか?

諸橋:正直、入社して1年っていう感覚が全くないですね。
この1年間、「自分は入社して数年経った社員なのか?」と錯覚するくらいには重要な仕事を任せていただきました。お客様の住宅リノベーションは勿論のこと、ショールームの企画や設計、自社オフィスの設計、他社オフィスの受注など。携わってきた仕事も多種多様で、やりがいのある仕事ばかり。特にRENOSY STAND SHIBUYA(リノシースタンド渋谷 / 以下、リノスタ)を担当した時はコンセプト設計から全て任せていただいたので、「入社して1,2ヶ月の新入社員がやっていいことなのか?」と困惑しながら仕事をしていたのも懐かしいですね。
それだけ多くの責任ある仕事を任せていただいたので、その期待と信頼に成果で応えるべく脇目もふらずに走り続けてきた1年間だったかなと。

QUESTION.そんな多くの仕事に携わってきた諸橋さんですが、これまでで最も印象に残っている仕事は何でしょうか?

諸橋:リノスタですね。
リノスタは都市生活者のための体験型ショールーム。2019年の1月からプロジェクトが動き出し、同年の6月にグランドオープンを迎えました。
このショールームは僕がLDD3本部長の川崎と一緒にコンセプトも含めて最初から考えたプロジェクト。GAとしてお客様に提供するリノベーションのコンセプトを設計することと同義なので、試行錯誤を繰り返し、描いたプランも10案以上に上りました。
そんな中で、最終的にコンセプトとして打ち出したのが『4D RENOVATION(以下、4Dリノベーション)』です。

4Dリノベーションとは、住まいを平面でも空間でもなく空間 × 時間・目的で捉え、多義的な空間をつくること。金額や立地を重視し、部屋面積を妥協してしまいがちな都市生活者に対して、「ONE TABLE」や「間取り2.0」、「立体くみあわせROOM」といった空間を最大活用するこだわりの住まいづくりを提案しています。

フレックスタイム制度やテレワーク制度といった働き方改革に取り組む企業が増えてきている一方で、住み方改革は進んでいないのが日本の現状。本来であれば働き方の多様化に合わせて、住み方もより柔軟にしていくべきですよね。

元来、日本の住宅は一つの空間を複数の目的で使用していました。
居間でご飯を食べる時もあれば、客間としてお客様を招く時もある。場合によっては、葬式を家でやる場合もありました。
しかし、西洋の文化が入ってきてからはLDKという概念が全国に広まり、それまで曖昧だった空間に対して使用目的が明確に定義されるように。率直に言うと、その西洋化された概念とは異なる考え方をお客様に提案していきたいと考えています。

従来のLDKという考え方から脱却し、住まいを部屋数から考えずに多様な目的で活用することができる空間として捉えること。この考え方がどれだけの人に響くかはわからないですが、お客様の理想を実現するための一つの手段として、より多くの方に活用していただけると嬉しいですね。

CHAPTER「職住近接」の時代だからこそ、働き方・住み方双方の視点からお客様の理想の実現を

QUESTION.最後に、今後の目標やGAで成し遂げたいことはありますか?

諸橋:マンション一室のリノベーションに留まらずに、いろんな空間をデザインしていきたいと思っています。オフィスの設計・内装もやりたいですし、カフェなどのサードプレイスやシェアオフィスにも挑戦したいですね。

これまでのGAのリノベーションは、BtoCの住宅リノベーションに限られていました。しかし、今年に入ってからは他社様のオフィス設計を受注するなどBtoBの仕事も受注・提案できる体制に。今後はそういったBtoBの仕事も増やしていけるように、社内体制の整備やGAのオフィス設計におけるコンセプト設計などを早急に進めていきます。

そして、あらゆる規模の建築を設計できる体制を整えた上で、ゆくゆくはBtoB、BtoC問わずどのようなお客様に対しても最適な選択肢を提案することができるサービスを提供していきたいですね。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※RENOSY STAND SHIBUYAは、2020年8月末で終了しました 。

EDITOR’S PROFILE
増田 剛士
2019年4月に新卒でGAテクノロジーズに入社。Communication Design Centerにて広報やイベントの運営、社内システムの運用などに携わっています。
KEYWORD
中途採用 社員インタビュー PROFESSIONAL

この記事をシェアしよう SNS SHARE

MEMBER
2019/11/21
「住宅も、オフィスも、サードプレイスも」BtoB、BtoC問わずにあらゆるお客様の生活をデザインする