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コミュニケーションの力で、事業と組織の成長に貢献する

執行役員就任者インタビューvol.5 川村 佳央
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中途採用 社員インタビュー 経営陣 GA GROUP SPIRIT X-Tech

Dec

16

Wed

WORDS BY浅野 翠
POSTED2020/12/16
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2019年11月のCxO制度導入を機にスタートした新たな役員・CxO就任者へのインタビューシリーズ。当シリーズでは新任者の経歴や就任の背景、そして今後の目的・意気込みについてインタビュー形式でお届けします。

5回目となる今回インタビューするのは、新たに執行役員 Chief Communication Officer(最高コミュニケーション責任者、以下CCO)に就任した川村 佳央(かわむら よしひろ)です。

PROFILE
  • 執行役員 CCO
川村 佳央
学習院大学卒。新卒でサイバーエージェントに入社し、広告営業や子会社の代表取締役などに従事。その後電通に移籍し、コミュニケーション・デザイン・センター(当時)に所属。コミュニケーションデザイナーとして、広告の企画制作から、社内やクライアント企業に向けたサービス開発・商品開発などの事業開発も担当。2018年7月に当社に入社し、Communication Design CenterのGeneral Managerとして社内外に向けられる全てのコミュニケーションの責任者を務める。2020年12月、同社のコミュニケーション領域の管掌役員として執行役員 CCOに就任。

インターネットの可能性を信じて飛び込んだキャリア

― 川村さんのこれまでのキャリアを教えてください。


1998年。高校1年の時に初めて、いちユーザーとしてインターネットに触れ、その後の人生を変えるほどの衝撃を受けました。「これは間違いなく世界を変えていく。これから、あらゆる産業にインターネットが入ってくる」と感じ、2005年に大学を卒業後、サイバーエージェントに入社。当時IT系企業は虚業と揶揄されたり、メガベンチャーという言葉すらない時代でした。それでも「インターネット市場そのものも、その周辺の産業も急スピードで成長する。ここで勝負したい」という確信を持って選んだキャリアでした。

入社当初は、広告代理店向けのメディア営業を担当していました。
その後、2年目で社内の新規事業コンテストに応募し、優勝。藤田社長に「せっかく新規事業をやるなら、会社としてやってみないか」とお声がけいただき、2006年9月に、アドプレインという日本初のゲーム内広告専門の会社を立ち上げました。

今ではゲーム内広告は当たり前の存在ですが、振り返ると2006年にはやや早すぎる挑戦だったかもしれません。スマホもないガラケーの時代で、当時最も人気のあったオンラインゲームでもユーザー数は200-300万人ほどで、モバイルでは100万人程度。今のスマホゲーム市場とは、ユーザー数だけでも桁が1つ違いました。結果、設立から2年弱で事業撤退。社会人4年目のときです。その後本社に戻り、広告部門で営業マネージャーを務めた後、大手広告主のデジタルマーケティング部門に1年間出向。社会人6年目になる日に、また本社に戻りました。

当時の私は、成長に対して焦っていたんだと思います。社会人5年目が終わるまでの間に、営業、子会社立ち上げと経営、営業マネージャー、大手広告主への出向と、濃厚すぎる日々を過ごしていました。そのせいで、不遜にも「もっと大きなものに挑戦をしていく必要があるのではないか」と感じていたんです。

ちょうどそのとき、電通の知人から「これからインターネットに注力していく。一緒にやらないか」とお誘いを受けました。その時漠然と感じていた焦りと符号したことに運命的なものを感じ、2011年に電通に転職。社会人7年目になった日です。サイバーエージェントは素晴らしい会社で、今でも大好きですが、あの時はとにかくわかりやすく大きなものへの挑戦に飢えていました。

電通では、Communication Design Center(当時)という部署に所属。「手法にとらわれずに、コミュニケーションそのものをデザインする」ということを標榜する組織で、広告の企画制作はもちろん、インターネットビジネスの新規事業立ち上げ、商業施設の開発、興行の企画制作、イベントからPRまで、文字通り手法にとらわれないあらゆるソリューション提供に関わりました。TOKYO2020をはじめ、電通でしかできない仕事がたくさんあり、一生忘れない経験をたくさんさせてもらいました。

でも徐々に、「以前感じていた“楽しさ”とは種類が違う」とも感じました。
サイバーエージェントには、インターネット広告の市場規模が現在の10分の1だった時期に入社。自分たちの仕事ひとつひとつが全く新しい市場を創っている実感がありました。日本における商用インターネットの始まりから脈々と紡がれてきた流れのなかで、自分たちが先駆者になり、「自分たちの手で、インターネット産業を創りあげている」という手ごたえがあったんです。

一方で電通で得られる“楽しさ”は、電通でしか味わえない体験や、電通にしかない案件など「扱える仕事のスケール」の“楽しさ”でした。どちらも楽しいのは事実だけれども、その種類が違うことに気付いたんです。

― 川村さんがGAテクノロジーズと出会ったきっかけ、そして入社を決めた理由を教えてください。


仕事の“楽しさ”について考えていた頃、電通の後輩に「不動産×ITの面白い会社がある」と紹介されました。仕事柄、デジタル領域の新しいビジネスモデルには興味があり話を聞いてみたのが、GAテクノロジーズとの出会いです。正直、話を聞くだけでまったく購入するつもりはありませんでしたが、営業担当のレベルも高く、テクノロジーを活用した不動産への投資自体も面白そうだったので、その場で物件購入を決意。ちなみに当時の営業担当は、現在執行役員CSOの飯田修三です。

その後、飯田に社長の樋口を紹介され、「GAに来ないか」と誘っていただきました。最初はお断りしていたのですが、ありがたいことに何度もお声がけいただいたり、一緒にお仕事をするようにもなり、クライアント企業として関わっていく中で、社員の人柄や成長性にどんどん惹かれていきました。

気付けば社会人になって10年以上が経ち、その間、失敗も成功もたくさん経験しました。そのうえでもう一度「自分たちで市場を創っていく熱狂の“楽しさ”」を選ぶのが、今の自分にとってベストではないかと考え始めていた頃。熱狂の日々を過ごすなら、このPropTech(不動産テック)という領域、樋口龍という経営者、GAテクノロジーズという会社はベストな選択ではないかと思ったんです。

― インターネットに衝撃を受けファーストキャリアを選択した川村さんが、純粋なIT企業ではなくPropTechを選んだのはなぜですか。


これはGAテクノロジーズと出会う前から考えていたことですが、ディスプレイの中におけるインターネットの進化は、テキストに始まり、SNS、動画、ゲーム、音楽と、すでに成熟期に入った印象を受けます。しかしリアルとテクノロジーの融合は、まだまだこれから。X-Techという言葉で語られるように、「インタ―ネットと実社会を接続する」事業がこれからの時代のど真ん中に来るのは間違いありません。今まで変わってこなかったマーケットが、テクノロジーの力で変わる。インターネットの進化がディスプレイの外側に出始めるタイミングが来ていると感じていました。

そのときにたまたまGAテクノロジーズという会社に出会い、事業はもちろん、経営者を始め、そこで働く人に惹かれました。一言で言えば、そこで働く自分の姿を想像して、ワクワクしたんです。「リアルとテクノロジーの融合」は、40歳を迎えるにあたり、取り組むにふさわしいテーマだと思いました。

インハウスだからこそ、解決できる課題がある

― 現在、川村さんが責任者を務める Communication Design Center(以下CDC)はどのような組織ですか?


そもそもCDCという部署名は、かつて電通で所属していた部署名そのままです。一応当時の上長に許可をいただき、部署名をのれん分けさせてもらいました。
そこには、電通CDCが標榜した「手法にとらわれずに、コミュニケーションそのものをデザインする」ということを、その意思を持ってベンチャーの事業会社でやっていくという決意表明のようなものがあります。

会社やサービスのプレゼンスを向上させる、社員が会社を好きになれる仕掛けをつくるなど、CDCが担当する領域は多岐に及びます。あらゆる課題をコミュニケーションの力で複合的に解決する、何でも屋のような組織ですね。PR・広報から、イベントプロデューサー、フルスタックエンジニア、アートディレクター、グラフィックデザイナー、カメラマン、動画クリエイター、編集者と、多様な専門性をもったメンバーが揃っています。なにかの課題をコミュニケーションで解決するときに、どんな武器も使えるチームでありたいです。

― 最後に、川村さんが今後GAテクノロジーズの執行役員 CCOとして目指すべきところ、成し遂げたい目標について教えてください。


目標としては大きく2つあります。

まず、GAグループが目指す「世界のトップ企業を創る」というビジョンを達成するための貢献。
私たちGAテクノロジーズグループの存在や、提供しているサービスを世の中に知っていただき、その価値を感じていただくというPRの部分。
単にPRと言っても、今の時代に沿った手法であることが重要です。伝え方はプレスリリースだけではありません。動画やイベント、記事や特設サイト、と手法の選択肢が広がると、必ずクリエイティブの力が必要になります。だから今の組織体制を選びました。PRとクリエイティブは切っても切れない関係。課題に応じた解決策を、CDC全体で実行していきます。

もう1つは、ベンチャーにおけるコーポレートクリエイティブのインハウス化の先駆者になることです。
私は、CDCという組織は壮大な実験だと思っています。数千人以上の規模の企業ならまだしも、600人程度の会社で「国内外に向けたPR、社内のコミュニケーションやカルチャー推進、エンゲージメント向上、それに関わるものづくり」を真剣にやる組織を持てるのは、非常に贅沢なこと。
その一方で、これは大きな流れでもあると思います。すでにマーケティングなどさまざまな領域でインハウス化が進んでいるように、クリエイティブにも間違いなく波が来る。

これは広告会社に13年いたからこその実感ですが、外部から、企業内のコミュニケーション課題を解決するのは、どうしても限界があります。どれだけ専門家として優秀でも、社員でしかわからない雰囲気や風土があり、組織の文化に触れること自体に大きなハードルがある。広告制作や商品のプロモーション企画と、会社内部の課題を把握して変えていくのは、まったく別物です。CDCがインハウスであることにこだわる意味はここにあります。時に外部の専門家の力を借りながらも、課題の特定やアプローチの手法を自分たちで考え、実行する。CDCは、それが実際に可能かを検証する大きな実験なんです。

GAグループにいるとワクワクするんです。これは、ともに働くメンバーや文化の要素が大きいですね。創業から5年でマザーズに上場し、PropTechという最先端の領域を手掛ける急成長企業でありながら、グループとして大切にする価値観である「GA GROUP SPIRITS(GAGS)」で掲げる内容は極めてウェットで人間味を帯びたものです。「HEART / 人としてちゃんとしよう」のように、ビジネスパーソンである以前の人としてのあり方をマジメに掲げているベンチャー企業を私は知りません。令和の時代のビジネスモデルと、昭和の価値観の融合ですよね。この私たちならではの文化や熱狂を薄めることなく、GAテクノロジーズを世界のトップ企業にしたい。そのために、カルチャーや想いを知っているからこそ生み出せる結果にこだわっていきたいです。


撮影:今井淳史
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

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EDITOR’S PROFILE
  • Corporate PR
  • GA MAG.編集長
浅野 翠
2011年に早稲田大学を卒業後、インターネットイニシアティブ(IIJ)やビズリーチで人事を務める。2018年にGAテクノロジーズに入社。2020年8月より広報を担当。好物はすっぱいお菓子。
Twitter:@midoriii1221
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2020/12/16
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