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インハウスのマーケターとクリエーターがDX時代のブランドづくりに挑む

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社員インタビュー RENOSY 動画 PROFESSIONAL

Dec

21

Mon

WORDS BY近藤 英恵
POSTED2020/12/21
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はじめにINTRO
DUCTION

こんにちは、GA MAG.編集部の近藤です。
2020年12月17日、RENOSYのブランドムービーが公開されました🎊
今回のGA MAG.では、RENOSYブランドムービーの制作背景や秘話をお届けします。

目次
・そもそも我々のやりたいことは何か?
・なぜこのタイミングでブランドに挑戦するのか?
・ブランドづくりを「WEB」で実施する、その背景は?
・「うごけ、不動産。」ブランドムービーの企画に込めた想いとは
・最も議論した言葉「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」
・ブランドムービーの展開戦略を担当者が語る
・最後に

PROFILE
  • 執行役員 CMO
田吹 洋
明治大学卒。新卒でイマジニア社に入社。企画やマーケティングに従事する。その後カカクコム社にて事業開発やマネジメントを担い、ITスタートアップ企業でマーケティグ責任者を経験。2018年、当社に入社し、プロダクト企画・マーケティング部門の責任者を務める。2020年、執行役員CMOに就任。
  • 執行役員 CCO
川村 佳央
学習院大学卒。新卒でサイバーエージェントに入社し、広告営業や子会社の代表取締役などに従事。その後電通に移籍し、コミュニケーション・デザイン・センター(当時)に所属。コミュニケーションデザイナーとして、広告の企画制作から、社内やクライアント企業に向けたサービス開発・商品開発などの事業開発も担当。2018年7月に当社に入社し、Communication Design CenterのGeneral Managerとして社内外に向けられる全てのコミュニケーションの責任者を務める。2020年12月、同社のコミュニケーション領域の管掌役員として執行役員 CCOに就任。
  • Product Planning Division/Data Analysis
有江 佳子
外資系金融情報サイトの日本版マーケティング担当を経て、2015年に株式会社ネットマーケティングに入社。恋愛マッチングサービスOmiaiの担当として、同サービスの広告運用からプロモーション戦略立案まで幅広い業務に携わる。半年間のフリーランス活動後2020年GAテクノロジーズ入社。現在はデータアナリストとして事業グロースのための分析と、認知プロモーションのプランニングを担当。
RENOSY BRAND MOVIE「うごけ、不動産。」 篇

そもそも我々のやりたいことは何か?

田吹:RENOSYの目指す世界をお伝えする前に、改めてGAテクノロジーズの理念をお伝えすると、GAは「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」というミッションを掲げています。ではこの中で、RENOSYはどんなサービスを目指しているのか。それは「住まいに縛られない本当の理想の暮らし」を実現できるサービスです。

本当はもっといい暮らしができたのに。本当はもっと資産を作れたのに。本当はもっとチャレンジできたのに。と、人々が思い描く「本当の理想の暮らし」を叶えるサービスを作りたい。これがRENOSYの根本にある想いです。

じゃあどうやってそれを実現していくか。

例えば、不動産を通じて資産を作りたい方の場合、所有している物件を売却する、賃貸として貸しに出す、はたまた収益物件を購入する不動産投資という道もあります。どの方法が最適かどうかは、お客様が資産を作りたいと思う背景に左右します。だからこそRENOSYでは、借りる・買う・売る・貸す・投資する、の不動産にまつわる全てを提供しています。

有江:これは他社もやっていない事業モデルで、不動産業界は売買や仲介、不動産投資とサービスのカテゴリごとに会社が分かれています。なのでRENOSYの不動産のことならなんでもできるっていうモデルは、業界としても新しい取り組みです。また、お客様にとって(どの会社で自分の求めている暮らしが実現できるか)わかりにくかったものを、よりカンタンに、わかりやすくしています。ただ、RENOSYも最初からわかりやすかったわけではありません。

田吹:モダンスタンダードがGAグループにジョイン(※1)し、RENOSYで「借りる」「貸す」の機能をサービス提供ができるようになってから、僕らとしてはRENOSYのワンストップサービスを訴求してきました。ですが、一つ一つのサービスにサイトがあるなど、RENOSYとしての繋がりがわかりにくい状態だったので、全てのサービスを統合し新しいRENOSYとしてリニューアル(※2)しました。

(※1):GAテクノロジーズは2019年12月9日に開催された取締役会において株式会社Modern Standardをグループ会社化することを決議しました。
(※2):「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」RENOSYは、住まいにまつわる全てを提供するサービスへ

なぜこのタイミングでブランドに挑戦するのか?

川村:自社が提供するサービスに自信を持てるようになったからですね。

田吹:そうですね。そして自信を持てるのは、RENOSYのリニューアルという表面的な要因ではありません。

不動産を借りる・買う・売る・貸す・投資するにはどれも大きく①知る・探す②比較する・検討する③申し込む・契約する④契約後の4つのステップがあります。

不動産メディアを運営している企業などは①知る・探すのみを提供しているので、その後の②比較する・検討する③申し込む・契約するは別の会社で行い、④契約後の管理やアフターフォローも別の会社で行うなど、サービスの提供を受ける過程でも業者が分かれています。一方、我々はこれら全てをRENOSYで提供しているため、ステップごとに業者が変わることありませんし、さらには全てのステップでテクノロジーを活用したプロダクトもあります。契約後もお客様に寄り添い、面倒や無駄をできる限り省き、信頼頂けるサービスをご提供できるようになってきた、というのが自信とモチベーションになってきています。

川村:3D内見とか、AIを活用した物件の選定や価格査定、電子契約にマップビューな提案ツールなど、自社が提供しているサービスに自信があり、それはWEBにおいても、僕たちの最大の強みであるリアル×テックの融合においてもそうです。現場のエージェントからオンラインにおける体験まで、この一連を全て自社で完結しています。これを知って、体験いただければきっとご満足いただけるものになっている。だから多くの人に知っていただくため、入り口の蛇口を最大にひねって認知の獲得に挑んでいこうというわけです。

ブランドづくりを「WEB」で実施する、その背景は?

田吹:まず始めはどの層に対して認知をとるべきか、インタビューやアンケートで調査を開始しました。元々の戦略として都心を中心とした認知拡大はやろうと決めていたので、ここを基準に将来に不安を持っている人はどれくらいいるのかや、不動産投資への興味関心度合いなどいろんなことを下調べしていったんです。

そこで改めてRENOSYで提供できる価値が、どのような人にも当てはまるってことがわかりました。

有江:不動産に関するニーズが生まれたタイミングで、RENOSYであればどんな要望でも叶えることができる最強のモデルになることができていたんです。

田吹:次に、実際に家を買った人や売った人、投資した人に、意思決定のタイミングや商品・企業を知った経緯をアンケートで調査しました。その時のファクトとしては、WEBでいかに話題になっているかや、WEBサイトを見た、口コミを見たなど、回答の8割くらいがWEBで、認知施策で想起されるテレビや新聞は、影響度が低くチャネルの一つとして出てくる結果でした。

あとはタレントを起用してはどうかってことも調査していたんですが、不動産投資をしようとするお客様って、タレントが出てるからとかではなく、会社がちゃんとしているかや論理的な説明がなされているか、手間なく運用できるかって方のニーズが高い結果となり、こういうファクトからぼんやりとブランドをつくる方向性が絞られていきましたね。

「うごけ、不動産。」ブランドムービーの企画に込めた想いとは

川村:一番は、不動産にまつわる全てのサービスを「RENOSYならできる」と表現することです。僕らはRENOSYで統合的な提供をしているので、「借りる」「買う」「売る」「貸す」「投資する」この5つが機能としてあって、この統合的なサービス展開こそが他社にはないRENOSYの価値であり、社会にとっての新しい価値です。なので、「買う借りる」「売る貸す」「投資する」に関わる人=全ての人に向けたサービスであることは言おうと思いました。

<「うごけ、不動産。」ナレーション原稿(一部抜粋)>

川村:もう一つは、不動産の広告に見えないぐらいでもいいかなって。
今回の企画を考える上で、僕なりに大手のデベロッパーさんや仲介会社さん、あるいは不動産系のポータルサイトさんなどブランドコミュニケーションを研究しました。新築(デベロッパー)であれば暮らしの話が中心で、仲介であれば住み替えのきっかけになる転機の話が中心だったりと。そうした中でRENOSYが表現しようとしていることって、今までどの会社も表現してこなかった(できなかった)ワンストップな不動産サービスになるわけで、「あ、不動産の広告か」というより「なんだこれ新しい、今までにないな」と思ってもらえるものにしようと考えていきました。

なので、抽象的な表現と具体的な表現を混ぜようと。

抽象的な表現の後ろで読まれている、具体的な呼びかけのナレーション。抽象的な画の中に突如現れる、具体的なサービス画面。抽象的な表現ができるのは、具体のサービスに自信があるからでもあります。住まいを「借りる」「買う」「売る」「貸す」「投資する」を統合的に、かつリアルとテックを融合させて提供可能なこと。そしてその証左となる、テクノロジーを活用した実際のサービス画面。

川村:他にも企画に込めた想いはたくさんあります。人の形をした光は「不動産データの象徴」のようなもので、これはまさにRENOSYが推進しているPropTech(不動産テック)の比喩。「うごけ、不動産。」のコピーも、まずは僕たち自身が真っ先に動いて、何か住まいに課題を抱えている人たちのために力になっていくんだという思い。そして、長らく変わってこなかった不動産業界を僕らがうごかしていきたいという未来を語るメッセージでもあります。

最も議論した言葉「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」

近藤:企画が固まり制作が進む中で、最後の最後まで議論したのがRENOSYのタグラインでしたね。

川村:めちゃくちゃ時間かかったよね(笑)。

有江:はい(笑)。デジタルやテクノロジーって言葉が入ったものや、今回の「住まい探しと資産運用」ってものを含めて数十案ほど候補があり、最終的にはまだ世に出していなかったサービス統合したRENOSYをポテンシャルユーザーに見てもらうことで決定しました。

川村:いろいろ議論したけど最終的にはしっくりきてますね。

「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」って最初は本当に違和感があって、僕は『ここに機能を語る言葉を持ってくるのは絶対にやめた方がいい』って実際に言ってたよね。

一同:笑。

田吹:でも、そこはやっぱりお客様目線で語りたく、「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」を入れてもらったんです。

川村:ブランドムービーの制作がある程度進んで、いざナレーションやテロップを映像に入れてみたら、しっくりきましたね。

「ロマンとソロバン」という言葉があって、ロマンは右脳でソロバンは左脳。ロマンだけだと伝わらないし、ソロバンだけだとつまらない。このバランスを取るのが難しいんだけど、今回のタグラインはまさにロマンとソロバンのバランスをとる鍵になったと思います。

僕もこれまでたくさんのテレビCM制作に携わってきたけど、言葉づくりをユーザードリブンでやったのは本当に初めての体験でしたし、その過程は本当に勉強になりました。調査でスコアがよかったからそれでコピーを決めるとかは、正直プロとしてどうなんだろうとも思いましたが、絶対的な正解が分からない中であればその解法ももしかしたらいいのかもしれないなと。いずれにしても、決めたものをちゃんと使って定着させていくことが大事ですから。これも、クリエイティブもマーケティングもインハウスでやっているGAならではだと思った瞬間です。

ブランドムービーの展開戦略を担当者が語る

近藤:今回のブランドムービーはどの媒体で流れるんですか?

有江:そこのプランニングは私が担当しています。予算も無限にあるわけではないので、首都圏のターゲットにできるだけ集中的に配信でき、かつブランドムービーを見た人と見ていない人でどれくらいサイトの訪問数が変わるかなど、細かな効果検証ができるかどうか、この二軸からFacebookを選んでいます。ここからABテストを何度も重ねていって、媒体もそうですし配信手法も検証していきます。

田吹:デジタルを中心に、YouTubeも可能性ありますし、LINEの可能性もあるよね。

有江:はい。WEB上で展開していく中で一番注意しなければならないのは媒体特性です。例えば、YouTubeは音声を聞かれる可能性が非常に高いですが、Facebookは音声を流さず視聴されることの方が多いなど、ムービー自体の惹きも大事ですが、言葉で見せる視認性も重要になってきます。私たちが伝えたい「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」というメッセージが、ブランドムービーが流れている最中であっても、止まったとしてもずっと目に付くような構成を作る必要があります。

<参考:媒体特性を加味した配信パターンや検証素材>

田吹:あとは切り口ごとのブランディングですね。今回のブランドムービーは30秒のものの他に、「借りる買う」「売る貸す」「投資する」でそれぞれ切り出した15秒バージョンがあります。同じような動機やタイミングを切り口に、クリエイティブを切り出すことで、よりニーズを捉えた配信をしつつ、RENOSYの全体の世界観が伝わるよう最適化していきます。

川村:ムービーは作って終わりじゃなく、広告配信としてこのまま使えるものもあれば、媒体ごとに矩形を変える必要があるので、今回のブランドムービーもベースは変えずに既に検証素材が30パターンくらいできていて、これらの制作は僕らCDCのクリエイティブチーム(※3)がやっていきます。

田吹:僕らマーケティングチーム(※4)は、インハウスの強みを活かして日々PDCAを回せる非常にスピード感ある環境です。これまでブランド広告といえば、テレビCMやビルボード、新聞とかが頭に浮かぶと思いますが、これら手法だと施策に対して実際どれくらい認知が変化したのか測定することが難しいです。

我々の場合、ブランドをWEBで展開し、そのマーケティングも社内で行え、お客様のWEBでの行動以降のステップについてもデジタルのプロダクトにてご提供させて頂いていますので、実業でのデータ蓄積が可能です。

明確にどのチャネル、どのキャンペンでの認知が実業のどのプロセスにどうインパクトするのか、これまで認知という誰も科学できなかった部分を社内のインハウス体制で科学していきます。

(※3)CDC:Communication Design Centerの略称。「コミュニケーションの力でGAテクノロジーズグループの成長に貢献する」をミッションに2018年に発足した部署です。社内外のコミュニケーションを担うPRチームと、デザイナー・カメラマン・映像クリエーター・イベントプロデューサーなどが所属するクリエイティブチームが存在し、プレスリリースから各種クリエイティブの制作まで自社内で完結し、ステークホルダーとのコミュニケーションや社員の採用・定着に大きな効果をもたらしています。
(※4)PPD:Product Planning Divisionの略称。BtoCサービス、BtoBサービス、そして社内基幹システムを含めると、自社で開発しているプロダクトが30を超えるGAグループ。そんな数あるプロダクトの企画・マーケティングを一手に担っているのが、Product Planning Divisionです。

最後に

有江:GAのミッション「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」この『テクノロジー×イノベーション』が、「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」の『もっとカンタンに。』に詰まっていて、実際お客様が簡単にサービスを使えた時になにかハッ!とするタイミングが『感動を。』だと思っています。ある意味、会社を背負っている感覚なので緊張感がありますね。

田吹:「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」はお客様への約束事として掲げた言葉ですが、プロダクト企画においても、お客様の顧客満足度を上げ続けていくぞ!となり、自分たちへの叱咤激励にもなり、非常に身が引き締まる思いです。

川村:ブランドを知ってもらった先にある実際のサービスが質を伴っていないとお客様は離れてしまいます。リピートしてもらえないだけならまだいいですが、口コミや評判がサービスを利用する大きなきっかけとなる今の時代では、いずれ体験してくれたであろう潜在的なお客様との出会いもなくしてしまう。僕らはプロダクトやサービスに自信があるから、今回ブランドを作っていく決断をしたわけですが、作っていく責任としてRENOSYがお客様の信頼に応え続けていけるよう、今後も「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」届けることを目指していきましょう。

撮影:松井 和幸
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

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EDITOR’S PROFILE
近藤 英恵
2018年新卒でGAテクノロジーズに入社。Communication Design Centerに所属し、コピーライター 兼 広報として日々奮闘中。POPな文章でGAの日常を発信していきます😎ツイッター気軽にフォローしてください✨
特技:早起き/趣味:鶏胸肉の調理・深夜ラジオ
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2020/12/21
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