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【イベントレポート】あらためて、オフィスについて考えよう。-Open Conversation #1 –

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中途採用 オフィス RENOSY

Mar

30

Tue

WORDS BY近藤 英恵
POSTED2021/03/30
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こんにちは、GA MAG.編集部の近藤です。

先日、2月19日に、RENOSY WORK Open Conversation #1「あらためて、オフィスについて考えよう。」が開催されました。今回はその様子をお届けします。

PROFILE
  • ゲスト/パネリスト
久保 裕丈
株式会社クラス
代表取締役社長
  • パネリスト
中森 康裕
株式会社GA technologies 
LIFE DESIGN Division Ⅲ / Space Design / Designer
  • パネリスト
諸橋 俊
株式会社GA technologies 
LIFE DESIGN Division Ⅲ / Space Design / Designer
  • モデレーター
川村 佳央
株式会社GA technologies
執行役員 CCO

はじめに「RENOSY WORK」とは何か?

まず、「RENOSY WORK」について簡単にご説明します。

RENOSY WORKは、不動産テック総合サービスのRENOSYにおける事業の一環として、デザイン部門が中心となり、企業の組織・制度設計からオフィスデザインまで、働き方をとりまく課題の包括的な解決に取り組むサービスです。

『働き方も、働く場所も、すべてはビジョンからはじまる。』という、 “VISION DRIVEN WORK-STYLE DESIGN”(ビジョン ドリブン ワークスタイル デザイン)の考えのもと、イノベーションによる価値創造を目指すベンチャー・スタートアップから、大企業までの様々な企業における百社百様の働き方支援を行っていきます。

こうしたRENOSY WORKの考えや事業に共感し事業パートナーとしてご協力いただいているのが、株式会社クラス(以下、クラス)です。クラスは、住まいやオフィスの家具・家電をサブスクリプションで利用できるサービス「CLAS」を運営しています。今回、そんなクラスとRENOSY WORKで、これからのオフィスについて議論するイベントを開催しました。

Q:空間のプロが思う、今のオフィスの課題とは?

川村:これからのオフィス、オフィスデザインについて早速議論していければと思います。まず、本日の大テーマであるこれからのオフィス・オフィスデザインを考えるに当たって、お三方が考える現時点でのオフィスの問題意識。どのような課題が潜在的に潜んでいると考えているか、それぞれお聞かせいただきますか?

久保:パネルがあるとなんだが良いことや面白いことを言わなきゃいけないみたいな、緊張感でますね(笑)

川村:やっている感がでますよね(笑)
………結構みなさんスラスラ書かれていらっしゃいますね、ではフリップをお見せください!

川村:中森さんが「オフィス作りぱなし問題!」。久保さんは「決める人と使う人がズレている」と「決める人が決められない」の2つ。そして諸橋さんが「設計者が勝手に決めてしまう」と。ありがとうございます、それではそれぞれの話を聞いていきましょう。まずは、中森さんの「オフィス作りっぱなし問題とは」一体どういうことでしょうか?

−オフィス作りっぱなし問題

中森:私は設計士という立場なので、オフィス設計を行うときに結構いろいろ考えて作るのですが、それって結局、その時のある一定の人たちが決めた最適解なんですね。なので、実際は作ったあとの「使う」ってことが非常に大事で、かつ期間が長いのに、設計士はオフィスを作って引き渡しをするといなくなってしまう。この渡していなくなるってところが非常に問題かなと感じています。

−「決める人と使う人がズレている」と「決める人が決められない」

川村:では、久保さんのご意見もお願いします。

久保:「決める人と使う人がズレている」と「決める人が決められない」ですね。会社の規模によっても違うと思うんですけど、よっぽどの会社でない限りは、社内にデザイン部署ってないと思うんですよね。なのでよくあるのが、オフィスのあれこれを決める人が経営者の方だとか、管理部長の方だとか、総務の方だったりして。実際に、僕自身前の会社を経営していた時、オフィスを移転するとなったら、内装をどうするかだとか、色々決めてきました。なんだけども、やっぱり一番オフィスを使うのは、働いている人達なので、多岐に部署が分かれていて働き方も異なる人達の最適解を導き出さなければいけません。加えて、経営者が考える理想のオフィスと、実際に使う人の理想って異なってしまうんですよ。これが「決める人と使う人がズレている」問題ですね。

「決める人が決められない」がどういうことがというと、経営者は設計会社さんに「社長どうでしょう?」って決定を求められるんですけど…。どうでしょうもなにも、結局何を基準に決めなければいけないのか、わからないままぼんやりと作ってしまう。あとは、中森さんの話に近いのかもしれませんが、作って何が成功だったのか失敗だったのかを、そもそも普通のプロジェクトだったらKPIとか設定すると思うんですけど、オフィス設計に関してはただぼんやりとしたまま決めてしまいますよね…。喋り出したら切りがないんですけど、兎にも角にも課題だらけだなというのが僕の認識ですよ。

−「設計者が勝手に決めてしまう」

諸橋:私も、ほとんど久保さんと同じ意見で、どちらかというと切り方が設計者視点ですね。我々(設計者)がお仕事をもらう時って、既に物件は決まっていて、ここに何人入りますとか、こういう仕事がしたいですっていうのは予め決まってます。それに対して、何となく我々の経験値を頼りにテストフィットしてみて、お決まりの「社長どうでしょう」。基本はこの流れでやっていくんですね。

ただこれだと結局、設計者が持っている経験値だとかによってプランニングしていくので、それが悪かったら悪くなっちゃいますし。その会社にあっているかどうかは、社長にもわからないし、我々も設計者側も、今までこういうの作ってきたから作っているんですけど…実際どうなんでしょうね?みたいな感じのまま、結局2ヶ月とか3ヶ月とかの期間で作っちゃうんです。

久保さんが話されてた、実際に使う人の声や想いみたいなものを、ワークショップとかで吸い上げるとかの話はよくあるんですけど。それも結局全員じゃなくて、チームメンバーを募ってやっているので、やっぱり一意見になりますよね。そういうことを考えると、利用者の声や想いを、もっとボトムアップで吸い上げられないっていうのも今の課題間ですね。

川村:三人の意見をまとめると、意思決定のあり方もそうだし、そもそも作っているモノが最適解かどうか正しくジャッジできているかどうかのオフィスを作るときの問題。作ったオフィスが本当に良かったのかどうかを検証するその後の運用。と、大きくこの2つが課題ということですね。

Q:オフィスづくりにはどんなスタートが必要か?

諸橋:オフィス設計って本来オフィスを選ぶところから始まっていると思うんですよ。オフィスの立地って企業の理念だとか精神みたいな、揺るがない根幹的な部分や社長の想いで決まったりすることがあるんですけど。そういうところに関して働く人はどう思っているんでしょうね。本当は、設計者というか、働く人の思いを考えることができる人が場所選びの段階から入るべきだろうなとは思ってますね。

久保:あとはオフィスとWEB/ITのプロダクトづくりって近いと思っていて。
まず最初にビジョンだったり、働く人や来訪者に与えたいUXを考えて定義させる。その決定のアプローチは、トップダウン的なものもあればボトムダウンもあると思います。そこで最低限腕のいいディレクター(設計者)がいたとして、ある程度のものができたとしても、あくまでもそれはスタートです。まずは「オフィスを作って終わりではなく、始まりだ」という考えをもつべきかなと。そうした上で、WEBでもよくあるのが、大規模なリニューアルをすると大体数字ってめちゃくちゃ落ちるんですよね。おそらく空間も近しいものだと思っているので、大規模な改修をまとめてやるのではなく、少しずつアジャイル的にPDCA回していくスタンスが大事なんじゃないかなと思ってますね。

中森:今のアジャイルの話ってまさに、共感している部分で、オフィスはある段階の最適解を作っているものなので、オフィスのなかにいるワーカーに話を聞いてみると、今の箱(オフィス)に合わせて働き方を変えていくと言っていて。それって本来逆でじゃないですか。自分たちが箱に合わせて変わるんじゃなくて、オフィスの中身を最適に変えていくっていう視点が大事だなと感じているので、今こういう形でクラスさんと一緒にやらせていただいているんですよね。

川村:なるほど、プロダクト的な視点を持ち合わせると、ある種オフィスもプロトタイプ的な発想だったりが必要で、できたのがゴールではなくむしろスタートという視点をもった状態で作ることが大事なんですね。

Q:オフィスデザインの決定権は誰がもつべきか?

久保:ちょっと話が変わるかもしれないんですけど、オフィスのデザインって誰か決めるのがいいんでしょうかね?答えって一意ではないと思うんですけど、今のところ皆さんはどう考えていますか?

諸橋:結局のところ、企業がトップダウンなのかボトムダウンなのかで変わってきますよね。ただ、一つ言えるなと思っているのは、今までは与えられた環境で働くという選択肢しかなかったと思うんです。ここで働くんだとか、ここではご飯食べるんだとか。それがコロナで、ある意味強制的に仕事する空間について考えなきゃいけなくなって、元々暮らしていた環境を仕事もできる場所にするために、再定義をし直して働く環境として認めてあげるって作業を各個人がやってきた。このことは大きな変化で、この先ワーカーの人たちが、ここ(場所)をどう使うかとか、何をしたらもっとオフィス(空間)が良くなるかとか考える土壌ができたので、一人ひとりが働く環境について考えられるようになっているとは思いますね。

久保:そうですね。それに加えて、一例としてあるのが、エンジニアメインの会社なんですけど、会社のレイアウトやデザインを決めるのは経営者の方。ただ、この経営者の方はデザイン思考はあるんですけど、非エンジニアだったので、いざ蓋を開けてみたら、デザイン性より自分の集中できる環境や没頭できる環境の方が求められていたと。こうなってくると、極端な話エンジニア主体の会社なんだったら、CTOみたいな人がオフィスに関しては強い決定権を持ってもいいんじゃないかなと。何が一つ軸になっているのかによって、スタートラインの位置は変わってくるのかなと思っていますね。

川村:確かに、その時の最終イニシアティブを誰が決めるのか。今の話だと、組織文化と直結するのか、あるいは働く人の人員構成からなのか。実はオフィスの話をする前に、組織の話を考えなければならないよね、っていうところがテーマとして上がってきますね。

諸橋:ちなみに、久保さんは社長としてオフィス移転しようと思うタイミングってどんな時なんですか?何を持ってオフィスを移転しようとするのか、設計者ってわからないんですよね。それがわかれば、コミットのしようもあるのかなぁと。

久保:当然、オフィスがパンパンになってきたらというのは一つありますよね。もう一つあるとしたら、社員同士のコミュニケーションのあり方や働く上のプロセスを変換しなきゃいけないなと思った時は、移転を意識し出すかもしれません。
例えばうちでは、物流と各所の連携が必要だったりする時に、極端な話、倉庫の中にオフィス作ったりはどうだろうとか、倉庫の間近にオフィスを借りたらどうだろうとか、話が出たことがありますね。

諸橋:移転の目的が多様化してきていると、そこで相談できる人が今の世の中にそんなにいないのかなと。

久保:おっしゃる通りかもしれないですね。オフィスがパンパンだからとかではなく、ビジョンミッションだったりだとか、さっき僕が話た業務プロセスの話だったりだとか。そういう時って、設計だけじゃなくて、コミュニケーションのデザインだったりとか、プロセスデザインのような戦略的な議論を一緒にしていくべきなんですよね。

諸橋:そいういうパートナーに我々はなりたいなと(笑)。

久保:(ウンウン)もう一つ大事なのは、人事戦略との絡みっていうのもありますよね。僕も経営者の立場としてはある程度の人員計画というのは立てるんですけど。どのタイミングでオフィスを変えるのかとか、レイアウトの設計とかは、人事戦略と一緒になって考えるのが大事かなと思いますね。

川村:会社の成長、組織の成長、企業の文化、これをひとまとめにできるのって、限りなく上の立場の人になってくるじゃないですか。そこに対して、いち設計者としてじゃなくて、そこまで理解できたパートナーとして設計に携わる人がいるといいですね。

久保:おっしゃる通りですね。「オフィスについて相談する人=パートナー」であることが大事だと思っていて、言い方悪いですけど、御用聞きであってはいけないんですね。要望を聞くだけや任せられっぱなしで作るのではなくて、一緒に作っていくという関係性が大事になってくると思いますね。

Q:これからのオフィス家具ってどうあるべき?

川村:最初の議論でも課題として挙げられた、オフィスを運用していくプロセスについて話を聞いて行こうかなと思うのですが。今、GAでは、クラスさんからフォンブース「Kolo」を8台借りていて、社内では非常に好評なんですね。突如世の中が変わるような出来事が今後どれくらいの頻度で起こるかはわかりませんが、フレキシブルに対応できるオフィスが組織や企業文化に直結しているなと感じています。

だからこそハードウェアとしてのオフィスがどれだけ柔軟かも大事だと思っているのですが、いわゆる家具から見るこれからのオフィスのあるべき像ってどうなのか。久保さんにお伺いしてもいいですか?

久保:あくまでも家具って、オフィスの中の細かなUIでしかないと思っているんですね。WEBサービスだと、バナーだとか商品詳細ページの写真だったりとかも、一個一個の要素だとかを組み合わせて行って最適化していくしかないものなので、パーツだったり時々に合わせた動線とか、ここをよく使ってもらいたいとかって変わってくるはずなんですよね。なので、家具は本当に組み換えていくパーツだと思っています。

川村:実際の利用に即して、RENOSY WORKではデータドリブンにやっていこうとしていると思うのですが、具体的にはどのようにやっていくつもりなのでしょうか?

中森:利用率だとかデータが取れる部分には定量的な、ビーコンやセンサーを使いながらデジタルで数字をとっていくことができます。ただ、効果性を図るのは難しいと思っているので、アンケートをとっていこうと思っています。しかも、利用率とか効果性とかを横並びで、みんなが見れる形で共有できれば、このアセット(家具)は結構使われているなとか、コミュニーションの形態が似ている企業が使っているんだなとか。自分のオフィスに入れても機能しそうだと予想が出来たりするので、見える化することで共有できる状態にしていきたいなと思っていますね。

川村:アマゾンでいうところの、これを買った人はこれを使いますみたいな感じですかね。

諸橋:逆に同じような規模の会社ではこれ使われていないですっていうのも出てきちゃいますね(笑)。

川村:それはそれでね、先ほどの企業文化との掛け算という話であったように、エンジニア主体の会社なのか営業主体の会社なのかとかも関わってくるでしょうね(笑)。

Q:理想だと思うオフィスのあり方と実現方法は?

川村:これからの時代はオフィスの決め方も新しくならなければならないし、運用のあり方も新しく考えていかなければならない。できる出来ないという現実論はおいておいて、どうやったら限りなく理想の状態に近づけられるか。ちょっとみなさんにお伺いしていきたいと思います。

川村:中森さんが「オフィスの運用-仕組みの構成」、久保さんが「UXを可視化する」、そして諸橋さんが「利用者が直接交換できる」という回答ですね。諸橋さんから詳しくお話伺っていこうと思います。

諸橋:これはそんなに遠くない世界かと思っていて、サブスクリプションのメリットでもある部分ですね。利用者がどういう働き方をしたいか、どういう使い方をしたいのかを考える土壌は出来てきた。そうなってくると、今後、世の中的に働くということを考えていく上で、利用者が働く場所も環境も選択できることが理想ですね。つまり、オフィスとして場が設けられているんですけど、利用する空間自体がサブスクリプションだったり、より自分の使いやすいように交換できるっていうのは、一つの理想ですね。

川村:フリーアドレスのさらに先の、フリーアドレス&フリー家具的な世界観ですかね。

諸橋:そうですね!最近ABWとかまた言われ始めているじゃないですか。

川村:ABWってなんですか?

諸橋:「Activity-based working」。考え方としては、働くということを10の活動に分けて、それに基づいた空間を作ってあげることで、働く側がその場所を選んで作業をするというものなんですけど。それって結局10の活動に縛られちゃっているというか、その活動に誘導されているなと思ってて。僕の理想はもう少し先で、10の活動ってもっと細分化できるはずですし、その人にとって集中できることを個人個人がもっと自分で考えるべき。そうなると、10だと思っていた活動は無限に出てくるんですね。だから自分にとっての最適解を自分で考えて自分で作れるっていうのが理想ですね。

久保:これは、そこそこ近い将来実現しそうな話ですよね。うちも会社がユーザーの方に何かしらの家具を貸し出して使っていただいているんですけど。当然、ユーザー側で今なんの家具を使っているのかが確認できるような管理画面を開放していこうと思っています。その管理画面から権限の切替をできるようになると、例えば総務の人しか家具の返却交換できません、とか。なんなら全従業員が自由に交換できちゃいます、とか。権限の切り方によっては、比較的諸橋さんの仰っているのと近い世界観はできてくるんじゃないかなぁと思いますね。

川村:今日のテーマは「オフィスのこれからを考える」ですけど、オフィスデザインやオフィスっていう言葉の解釈が、「みんなが集まるワークスペース」だけじゃなくてサードプレイス的なこともそうだし、「働く空間」の拡大解釈に変わっていくかもしれませんね。では続いて久保さんお願いします。

久保:シンプルに、きちんとオフィスだとか働く空間の良し悪しをジャッジする時には、ユーザーの言葉で語るべきだと思っています。じゃあ、働く空間のユーザーって誰かというと、各社員・従業員ですよね。だからこそ、働く人のUXっていうのを見える化していかなければならない。さっき中森さんの話で、アンケートとかで定量でも定性でも見える化していくって話がありましたが、それによって作ったものだったり、行った変更が良かったのかどうかを見ていかなければならないと思っているんですね。だから、どんどん自由に可変性を持たせていって、その上でUXを可視化してそれが良かったのかどうかを振り返るフローをする必要があるのかなと。

一意にUXというと、今の議論だと、利用率だけで語られてしまうことがあるんですけど。それだけだと、十分じゃないと思っていて、仕方なくで使っていることってあるじゃないですか。ここが一番近いし、仕方なく使うかみたいな。大体そいういう場合は、利用率が極端に高くなっていたり、シンプルに集中ブースの利用率が逼迫して高くなるという状態になるんですよね。これだと本当の意味でのUXの可視化にはならないので、定量的にも定性的にもデータを取っていく視点はすごく大事になってくると思います。

川村:真のニーズを導き出すには、利用率だけでは限界があると言うことですね。ありがとうございます。最後、中森さんお願いします。

中森:「オフィスの運用=仕組みの提案」です。今までオフィス設計とかオフィスを語るときに、箱側の議論が結構なされていたと思うんですけど、そうじゃなくて今日の議論は、これからのオフィスをどのように使っていくかであったり、オフィスとしてのあり方だったりを議論してきたと思うんですね。今後はオフィスを単に箱としてではなくて、一つの道具として捉えていかに使えるようにしていくのか。この仕組み自体を作って導入していくようになるのがこれからのオフィスなのかなと思っています。

Q:オフィスではどんなデータが活用できる?

川村:ありがとうございます。中森さんと久保さんのお話は近いところがあると思うのですが、少し前にWeWorkもデータドリブンにオフィスレイアウトだったり家具の配置だったりを変えていくみたいなことをやっているじゃないですか。彼らがやろうとしていることを自社で構えたオフィスの中で再現するとしたら、変えていくべきところとはどこでしょうか?

中森:自社オフィスとの違いで言うと、フィルタリングの話ですかね。自社で実施するとなれば、ある程度自分たちの考えに近かったりすることができるので、自社のもつブランティングやクオリティの基準をある程度担保できるんですよね。僕自身WeWorkを使わせていただいて、個人の感想になりますが、あまりスタバとかと変わらないなと思っています。なぜ、WeWorkがスタバっぽいかといったかと言うと、人は集まっているけど何かそこに強烈な想いみたいなのがあるかと言うとそうではない。一方で自社で構えるオフィスだったら、今度オフィスにこんな人がくるよとなったら、自社内でイベント情報がしっかりと共有されて、〇〇さんが連れてくる人の話は聞いてみたい!とか、そういう思考も働くわけじゃないですか。なので、より濃い空間を作ることができるのかなと。これが大きな違いかなと思っています。

久保:あとは会社によって何をオフィスの成功指標とするのか、おくべきKPIも全然違うじゃないですか。WeWorkとかだと、コラボレーションとかコワークとかだと思うので、スタバ的なって話になったと思うんですけど。これに関しては僕も同じようなことを思っていて、あそこでフォーカスだとか、思考のディープダイブとかをデータで取ってみたときはきっとあまり高くないだろうなと感じています。だから何を重要視してKPIにおくかに応じて、取得するデータは変わってくるはずですよね。

川村:自社でオフィス運用していくときって、さっき久保さんが取るデータって利用率だけでいいのかってまさにポイントだと思っていて。社内って他にもデータってたくさんあると思っていて、例えば全従業員の評価のデータがあったりとか、営業成績のデータがあったりとか。本来のオフィス設計では、全然使われて来なかったけど、でも実は仕事においてはダイレクトで影響している各種指標ってあると思うんですね。オフィス環境とパフォーマンス、あるいは評価を相関して考えてみたりとか。会社固有にしかない情報は、新しいオフィス作りのヒントになり得るのかなと、素人ながらに皆さんの話を聞いていて思いましたね。

中森:そうなんですよ、今までのオフィスって総務領域であったりだとか、人事も絡んでいたり経営企画が絡んでいたりとかすると思うんですけど、その部署で扱っているデータですら活用できていない。それだけじゃなく、先ほど川村さんが言っていた各種データの連携もできていない会社さんが多いですよね。せっかくデータがあっても連携してなかったり、活用できてなくて、それぞれの違う視点でオフィスが作られてきているんです。だからこそ、データを共有しあって、一緒にオフィスを作っていったり、評価していったりすることができたら、めちゃくちゃ面白いと思うんですよね。

諸橋:ちなみに、これ僕の知見の問題なんですけど、そういうデータを取って設計しているって今のところないですよね。

久保:僕の知る限りではないですね。

中森:ないですね。

諸橋:ですよね。てなると設計者とか、オフィスを考えていく人達も、そうした前例なくゼロベースのとこからスタートしていくから。まずは、一緒に考えていこうっていうのが大切なのかなと。こういう風にデータとりましょうっていう提案と、人事側の情報を掛け合わせましょうとか、とにかく一緒にやっていきましょうとするスタートライン。このスタートラインを作っていくために、我々はどう動くか。設計者側と、家具側は考えていかなければならないのかなという風に思いますね。

久保:そうですね。そもそもの会社に対して結構深い理解が必要ですよね。モチベーションってところもそうですし、ある意味メンタルヘルスやパフォーマンスの相関への理解も大事になって来ますね。

川村:これからのオフィス設計では、1回目の打ち合わせは図面の話とかではなく、それ以前の企業の考え方とか、これから中期長期で運用していくプロジェクトの話とかのすり合わせが中心になってくるんでしょうね。

諸橋:そうだと思います。そこでポイントになるのが、結局スピード感なんですよね。我々に相談にくるときって「やばい、あと半年後に移転しなきゃまずい」みたいな状態が多いので、まずその前もって相談しましょうっていうところを伝えていかなければならないというところですよね。

久保:最初の設計のキックオフですらなく、ビジョンとか会社の計画をすり合わせる作業が当たり前に定着していくといいですよね。

川村:完成したオフィスがゴールじゃなくて、そこがスタートで、そこからどんどん良いオフィス、社員がパフォーマンスを発揮しやすく、メンタルヘルスが保たれるオフィスにしていきましょうということですね。

久保:ですね、オフィスを設計する前に、どういうデータが人事データの状態になっているのか。オフィス作った直後はどういうデータになったのか。絶対ここをみていかないと、次のPDCAを回していった時に、そこのデータがどれだけ変わったのかを見ていけない。なので、どのタイミングでどのデータを見るようにしてくださいねとか、ある程度のクライアントと確認していかなければならないのかなとは思っています。

川村:はい、ありがとうございます。最後は運用をどうしていくかの話を交えて、これからのオフィスをどうしていくかの話をしてきました。三人の皆さんありがとうございました。(了)

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

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EDITOR’S PROFILE
近藤 英恵
2018年新卒でGAテクノロジーズに入社。Communication Design CenterのPR Teamに所属し、GAテクノロジーズのコーポレートPRとRENOSY XのPRを担当。社内報「GNN」での執筆や社内ECサイト「THE STORE」の商品企画などのインターコミュニケーションにも関わっています!ツイッター気軽にフォローしてください✨
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